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中国製ギョーザ中毒事件で、警察庁は16日、千葉、兵庫両県で中毒被害が出たギョーザから検出された有機リン系殺虫剤「メタミドホス」は、日本国内で流通しているものでないと断定した。国内で使用されている「純粋系メタミドホス」にほとんど含まれない不純物が混在していた。

 千葉、兵庫両県警の共同捜査本部は、中毒を起こしたギョーザを押収、中毒物質を両県警の科学捜査研究所や警察庁の科学警察研究所で、ガスクロマトグラフ質量分析にかけ、化学成分を分析する一方、国内の研究機関で食中毒検査の試薬として使われる純粋系メタミドホスとの比較鑑定を進めていた。

 この結果、ギョーザに混入していたメタミドホスには、製造過程で発生する副生成物が不純物として混在していることが判明。国内で流通するメタミドホスは不純物がほぼ除去されており、両者は完全に別物であることが分かった。

 また、日本国内では、メタミドホスは厳しい管理の下、限られたルートで研究機関などに食中毒検査の試薬として流通しているだけで、殺虫剤として市販されることはない。このため、捜査本部は中国国内で混入した可能性が高いとみて捜査を続けている。

 捜査本部は、千葉、兵庫で中毒を起こしたギョーザから検出されたメタミドホスが同じものかどうかの鑑定も進めている。しかし、時間の経過によって成分が変質していることもあり、同一性の鑑定は難航している状態だ。

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【用語解説】メタミドホス

 農作物につくアブラムシなどの駆除に使われる有機リン系の殺虫剤。食品衛生法で食品ごとに基準値が設けられている。日本では農薬登録されていないが、農薬として使われているアセフェートが分解して検出されることがある。国立医薬品食品衛生研究所のホームページによると、人が経口摂取すると胃けいれんや下痢、嘔吐(おうと)などの症状を起こすとされる。


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